放課後等デイサービスの掛け持ちを検討中の方もいるのではないでしょうか。放課後等デイサービスは通常、1ヶ所の施設を利用するのが一般的ですが、掛け持ちも不可能ではありません。ただし、掛け持ちにはメリットやデメリット、注意点があります。
冒頭でも触れたように、放課後等デイサービスを掛け持ちすることは可能です。放課後等デイサービスは、療育を重視した施設や運動に特化した施設など、さまざまな施設があるため、組み合わせてみるのもよいでしょう。また、料金は上限が決まっていますので、経済的な負担は変わりません。
しかし、掛け持ちがよいかどうかは個々のケースによります。現在利用している施設で相談するのはもちろん、子どもの様子を見て判断することが大切です。
放課後等デイサービスの掛け持ちは、さまざまなメリットとデメリットがあります。掛け持ちで迷った時は、メリットとデメリットを把握し、総合的に判断しましょう。
放課後等デイサービスを掛け持ちするメリットは、利用頻度を高められる点です。単純に療育日数を増やせますので、子どもの状況によっては大きなメリットになるでしょう。
放課後等デイサービスの中には、利用者が増加して月に数回しか利用できないところもあります。積極的に利用したい場合でも、待たされてしまうことが少なくありません。しかし、施設を掛け持ちすれば利用頻度・機会を増やせます。今よりも手厚い支援も期待できるでしょう。
放課後等デイサービスを掛け持ちした場合、相談できる場所も増加します。それぞれの施設には相談員が在籍していますので、悩みに対して多角的なアドバイスを受けられるようになります。悩みの内容によっては、より手厚いサポートやフォローを受けられる可能性もあります。
また、相談員に対して、抱えている悩みや不安を吐き出すことで、自分自身の心理的な負担が軽減されます。話を聞いてもらうだけでも、メンタルケアすることが可能です。
放課後等デイサービスは、施設によってさまざまなイベント・活動を実施しています。例えば言葉の療育に注力している施設もあれば、運動を中心に活動を提供している施設もあります。そのため、掛け持ちによって各種イベントや活動に触れる機会を増やすことが可能です。子どもに色々な経験を体験させられるでしょう。
また、さまざまな活動の中で友達が増えるなど、子どもにとってよい影響が及ぶ可能性もあります。子どもの成長につながることも考えられるでしょう。
一方、掛け持ちすることで子どもが混乱してしまうおそれがあります。放課後等デイサービスは、施設によって療育方針が大きく異なります。例えば子どもの自主性を重んじている施設もあれば、積極的に関わりを持とうとする施設もあります。しかし、子どもがこうした違いに付いていけないと、パニックになってしまう可能性も否定できません。施設間で情報を共有してもらうなど、何らかの対策が求められます。
施設ごとの療育方針の違いに対して、保護者が混乱してしまうことも考えられます。今まで利用していた施設と方針が異なった場合、家庭での子どもとの関わり方も変化する可能性もゼロではありません。
また、相談先が2つに分かれてしまいますので、どの施設のアドバイスを受け入れたらよいのか、判断に迷いが生じてしまうおそれもあるでしょう。もし混乱しそうな場合、放課後等デイサービスの掛け持ちは避けたほうがよいかもしれません。
子どもと保護者の負担が増えることもデメリットです。放課後等デイサービスを掛け持ちした場合、自然と関わりを持つ人が増加します。しかし、子どもや自分自身がコミュニケーションを苦手とする場合、心理的な負担が増えてしまうおそれがあります。施設の療育方針や相談員の対応にも違いが生じますので、そうした変化に付いていけないと、強いストレスを感じてしまうかもしれません。
もし放課後等デイサービスを掛け持ちするのであれば、届け出の有無や利用上限日数に注意しておきましょう。
放課後等デイサービスを掛け持ちする際、利用者負担上限額管理事務依頼(変更)届出書の提出を求められる可能性があります。もし施設から届け出の提出を求められたら、速やかに対応しましょう。
放課後等デイサービスなど福祉系施設は、利用者の負担金額が上限を上回らないように、施設間で利用者の負担額を管理する仕組みがあります。そのため、複数の放課後等デイサービスなどを利用した場合、もっとも利用頻度の多い施設で上限金額の管理が必要になります。
放課後等デイサービスを掛け持ちした場合、利用できる機会は増加します。しかし、利用できる上限日数そのものが増えるわけではないので注意しましょう。仮に1ヶ月の上限日数が10日だった場合、2つの施設を合算して10日までしか利用できません。20日利用できるわけではないのです。
利用できる上限日数も増えると考えていると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。掛け持ちする際は、それぞれの施設の利用日数を適切に管理し、上限を超えないように気を付けましょう。
放課後等デイサービスを掛け持ちすると、利用頻度を高められるほか、相談できる場所を増やせます。さまざまな活動に触れられますので、子どもの成長によい影響が及ぶ可能性もあります。
ただし、掛け持ちは子どもと保護者の負担が増えますので、それがよいとは限りません。放課後等デイサービスを掛け持ちするか迷っている方は、まず現在利用している施設で相談してみてはいかがでしょうか。現在の悩みや希望を伝え、アドバイスしてもらいましょう。
子どもの特性が分かる発達テスト、WISC検査について解説
お子さんの受けられる発達検査のひとつにWISC検査があります。その子の持つ特性や発達の凹凸など詳しく数値として分かるのでおすすめです。5歳~16歳11か月の検査では、「言語理解」「知覚推理」「作業記憶」「処理速度」の4項目を調べます。結果をもとに指導に反映してくれる放課後等デイサービスもありますよ。さらに詳しく検査についてまとめたページがありますのでぜひご覧ください。