放課後等デイサービスの2類型化とは?

この記事では放課後等デイサービスの2類型化について詳しく解説します。

放課後等デイサービスの2類型化とは

放課後等デイサービスの活動内容によって、「総合支援型」と「特定プログラム特化型」の2つに分類することを、放課後等デイサービスの2類型化といいます。2021年10月31年に厚生労働省によって定められた方針であり、放課後等デイサービスの機能をより明確にすることを目的としています。両者の違いについて以下で詳しく見ていきましょう。

総合支援型

総合支援型の放課後等デイサービスの特徴は4つあります。

  • 自立支援と日常生活の充実のための活動
  • 創作活動
  • 地域交流の機会の提供
  • 余暇の提供

上記の4つすべての活動を提供するのが「総合支援型」であるとガイドラインに定められています。

なお、4つの要素を詳しく紹介すると、「自立支援と日常生活の充実のための活動」とは、障がい児が成長するにつれて必要となる基本的な日常生活の動作などです。自立支援をサポートする活動を指し、子どもが意欲的に参加できるような遊びを通して成功体験を積み、自己肯定感を育みます。自立だけでなく地域生活も見据えた活動も含まれており、学校との連携が大切です。

また、「創作活動」は表現する喜びの体験が目的です。日ごろから自然に触れるなど、感性を豊かにする活動が該当します。

そして、「地域交流の機会の提供」では、障害を理由に社会生活の範囲が制限されることがないよう、社会の幅を広げます。ボランティア等の受け入れなど、他の社会福祉事業や地域と協力して多様な学習や交流を行います。

一方で、「余暇の提供」も活動の一つです。子どもたちがリラックスできる時間の確保は欠かせません。子ども自身が望む遊びができる時間を設け、自己選択する経験を積むのに必要となるプログラムを用意します。

特定プログラム特化型

理学療法など、専門性の高い支援を行っている放課後等デイサービスのことを、特定プログラム特化型と言います。ただし、具体的な基準は設けられておらず、詳しい詳細は今後決まっていくと考えられます。特定プログラム特定型では、地域によって偏りなく発達支援の必要性を勘案するのが課題です。特定領域のサービスを提供するには、理学療法士や作業療法士等の専門のスタッフが欠かせないため、児童発達支援センター等がその役割を担えるかが鍵になるでしょう。

なぜ2類型化がおこなわれるのか?

2類型化が行われるに至った背景として、放課後等デイサービスのサービスの質や、プログラムにバラつきがあるという課題があります。放課後等デイサービスの需要が高まり、事業所が増えている一方で、提供するサービス内容は各事業所に委ねられていました。自由にサービス内容を決められるため、サービス内容が統一されておらず、中には活動プログラムがぞんざいな事業所もありました。

そこで、サービス内容を統一し、サービスの質を向上させるために2塁分類型化が提案されたのです。厚生労働省は、障害特性を考慮した支援内容を提供できていないと見なされた場合、国から運営資金を得られないシステムを構築し、子どもの実態に即したサービスが提供できるようにしました。

2類型化によって利用者に影響はある?

放課後等デイサービスが2類型化されることによって利用者が受ける影響はほとんどありません。利用者がすぐに対応しなくてはならない事項はないからです。2類型化による影響が大きいのは主に事業者側です。ただし、施設ごとに変更が起こる可能性があるため確認はおこないましょう。場合によっては閉所する可能性もあるため、運営支給金給付の対象に含まれるかしっかりチェックしてください。

なお、事業所が運営支給金給付の対象外になった場合、利用料金を値上げしたり、利用時間を変更したりすることもあるので、現在放課後等デイサービスを利用している方は、各施設に問い合わせてみることをおすすめします。

2類型化実施後の放課後等デイサービスの選び方

2類型化実施後の放課後等デイサービスの選び方について以下で見ていきます。

通いやすい場所かをチェック

2類型化実施後の放課後等デイサービスを選ぶ際は、まず通いやすい場所にあるかをチェックしましょう。通う上で立地条件は重要な要素です。最寄り駅からアクセスしやすいか、学校や自宅から近いか、よく考えてみてください。また、事業所が多少遠くにある場合でも、送迎サービスがあれば安心です。保護者の負担も減るため、送迎の有無も一緒にチェックしておきましょう。

サポート内容をチェック

特定プログラム特化型と総合支援型によってサポート内容は異なります。そのため、事前にサポート内容に目を通しておくのが賢明です。施設によって預かり時間にも差があるので、何時まで預かってもらえるのかチェックしておきましょう。なお、夜まで預かってくれるかや、延長してもらえるか、土日祝日も利用できるかといった点もチェックしておくべきポイントです。

見学や無料体験で雰囲気をチェック

見学や無料体験を行っている2類型化実施後の放課後等デイサービスがあります。そのため、放課後等デイサービスの利用を検討する際は、事業所のホームページでチェックするだけでなく、実際に見学や無料体験に足を運ぶのがおすすめです。

実際に利用してみなくてはスタッフの対応や施設の雰囲気は分かりません。写真だけでは分からない部分を知る良い機会になるでしょう。なお、見学や無料体験に参加するときは、設備の安全性やスタッフの数、利用者の雰囲気などに着目してみてください。子どもたちが楽しそうに過ごしているかも要チェックです。

2類型化について把握し今後に備えましょう

サービスの内容や活動内容によって2つの型に分類できる放課後等デイサービス。2類型化により利用者に大きな影響があるものではありませんが、施設によっては影響を受ける可能性があります。料金体系の情報などを再度確認しておきましょう。また、2類型化後の施設の選び方としては、サポート内容はもちろんですが、通学のしやすさや預かり時間なども決め手になります。契約する前に見学会や無料体験に参加しておくと、通学後の具体的にイメージできるためおすすめです。質問や興味のある方は積極的に問い合わせてみてください。

子どもの特性が分かる発達テスト、WISC検査について解説

WISC検査お子さんの受けられる発達検査のひとつにWISC検査があります。その子の持つ特性や発達の凹凸など詳しく数値として分かるのでおすすめです。5歳~16歳11か月の検査では、「言語理解」「知覚推理」「作業記憶」「処理速度」の4項目を調べます。結果をもとに指導に反映してくれる放課後等デイサービスもありますよ。さらに詳しく検査についてまとめたページがありますのでぜひご覧ください。

安心して通わせられる放課後等デイサービス