このページでは、発達障害の子どもが勉強しない理由やそれぞれに適した学習スタイルについて解説します。
自閉スペクトラム症の子どもは対人関係が苦手で、他者とのコミュニケーションに苦労することが多々あります。また物事に対する強いこだわりを持っていて、毎日同じ行動を繰り返すことも少なくありません。
臨機応変に対応することも苦手なので、プリント学習やノート学習など学習スタイルが変わってしまうと勉強に着いていけなくなることがあります。学年が上がったことで先生が代わり、授業のスタイルも変わってしまった場合などに勉強へ向かうハードルが高くなってしまうのです。
ADHDの子どもは注意力が散漫で、落ち着きがないのが特徴です。授業中に長時間イスに座っていることや、先生の話を静かに聞くことを苦手としています。宿題や持ち物を忘れて先生に注意されてしまうこともあるので、なかには学校が嫌になってしまう子も…。
ADHDの子どもは感情や集中力を自分でコントロールすることが苦手なので、勉強への興味が薄れやすいのです。
学習障害は読字障害、書字障害、算数障害の3タイプに分けられ、それぞれ「読む」「書く」「計算」の能力に困難が生じています。学習能力に偏りが生じるため、「読み書きは得意だけれど、計算は苦手」などの傾向が現れます。
学習に対する苦手な部分が顕著に現れるので、クラスメイトにからかわれたり、自信をなくして授業を受けることを苦痛に感じたりしてしまうことが少なくありません。「自分は勉強ができないんだ」と思い込んでしまい、授業や勉強を避ける態度を取るようになります。
発達障害と言っても、タイプによって困りごとはさまざまです。子どもの個性によって、勉強しない理由も異なります。まずは子どもがなぜ勉強しないのか。つまり、ネックに感じている部分はどこなのか観察するところから初めてください。
自閉スペクトラム症の子の場合は一貫したスタイルで学習をさせてあげる。ADHDの子には集中力が散漫してしまわないように、おもちゃなどの楽しいものがないところで勉強をさせる。学習障害の子には難しすぎる問題は解かさせずに子どものレベルに合わせた問題にチャレンジさせるのがよいでしょう。
勉強しない子どもに、親が勉強しているところを見せるのも有効です。 発達障害の子どもは勉強することを避けて「勉強しても意味がない」などと考えてしまうこともあります。子どもにとって身近な存在である親が勉強している姿を見ることは、勉強への意欲につながります。
親が勉強する内容は資格の勉強、ビジネス本の読書、新聞を読むなど、何でもかまいません。とくに複数のことに興味を持ちやすいADHDのお子さんは親が勉強している内容にも興味を持ってくれるでしょう。
集中力が続かない子どもには対話形式で学習を進めることで、集中力が持続しやすくなります。学習中の大事なポイントで子どもに質問を投げかけるので、子どもは自分で考えて答えを出す必要があります。学習時間が長くても適度な刺激を与えられれば、集中力を保ったまま学び続けられるのです。
発達障害の子どもは、過去に自分ができなかったときの記憶を引きずって、勉強しなくなるケースがあります。子どもが勉強しているときは側について、できたところはしっかりと褒めてあげましょう。
間違えてしまったところは、保護者が子どもと一緒に考えてあげましょう。小さな成功体験を重ねることで、勉強に対するモチベーションもアップします。
勉強を嫌がる子どもに、無理やり勉強をさせてはいけません。発達障害の子どもは単に勉強が嫌いなわけではなく、勉強を拒否する理由があります。
学習スタイルが変わったために着いていけない、目先の楽しいことが気になって勉強に集中できないなど、その子が勉強しない理由を探ることが大切です。
勉強中に間違っていたり、うまくできなくても子どもを叱ってはいけません。 ってしまうと、発達障害の子どもはそのことを記憶に刷り込んで、引きずってしまいます。勉強をしようと机に向かっても、できなくて叱られたことがフラッシュバックしてしまいます。勉強中の子どもを叱るとマイナスのストレスを与えてしまうので、注意が必要です。
自習タイプの塾に通わせていましたが、集中力が散漫な子どもには向いておらず、自力で課題をこなして先生に質問することが難しかったようです。今は親が横につきながらの自宅学習に切り替えています。苦手な科目は下の学年の範囲に戻って何度も問題を解き直したおかげで、徐々に勉強ができるようになってきました。問題を解くスピードが段々早くなり、最後まで問題を解ききることが増えました。テストの成績も上がっています!
発達障害の子どもが勉強しない理由は症状によってさまざまです。子どもの横について勉強を見てあげるのが一番良いのですが、忙しい保護者の方も多いでしょう。そんな場合は勉強をフォローしてくれる放課後等デイサービスを利用するのもひとつの手です。
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