注意欠陥・多動性障害(ADHD)

このページでは、注意欠陥・多動性障害(ADHD)について紹介しています。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)とは

ADHDは、発達障害のひとつ。英語のAttention Deficit Hyperactivity Disorder(注意欠陥・多動性障害)を訳して呼ばれています。不注意、多動性、衝動性の3つの症状があるのが特徴的です。

知的な遅れはありません。集中力がなく、落ち着きがない、衝動的に動いてしまうなど問題が出てきます。大人100人のうち、1~3人がADHDだと言われており、決して少ない障害ではないのです。

詳しくは、下記をご覧ください。主に3つの症状が考えられます。

不注意が優勢の症状

色々なものが気になって集中力がない。忘れ物が多い。人の話を聞き逃しやすい。整理整頓が苦手など。小さなお子さんではよく見られがちな行動ですが、小学校に入って授業に支障が出るほど症状がある場合は不注意優位の状態と診断されます。

多動性・衝動性が優勢の症状

落ち着きがなく手足を動かしてしまう。席にじっと座っていることができない。静かにしなければいけない場面で話が止まらない。道路で急に飛び出してしまうなど。その行動によって集中ができなくなったり、まわりに迷惑をかけたり、問題がでてきた状態です。

不注意が強い症状

不注意と多動や衝動的な行動が両方ある場合もあります。

子どもの頃から症状があるのがADHD

このADHDは、脳の機能障害により起こるため、子どもの頃から症状があります。本人も家庭でも工夫や対策を考えてもなかなか改善せずにずっと悩んでいるというケースも。まわりからの非難の対象になったり、トラブルにつながったり…。それが続くと自分の評価も低くなってしまいます。

ADHDが心配になったら

子どもの場合は、集団生活のなかでお友達とのトラブルがあって発見されやすいです。おこりっぽくて衝動的に誰かを叩くことが多い。いつも体のどこかを動かしている。急に走り出してしまう、といった気になる行動があればはやめに受診しましょう。

子どもを伸ばす接し方

唐突な行動が多いため、親のしつけや子どもの性格を責められることも少なくありません。しかし、ADHDは本人が注意してもすべての症状を防げるわけではないのです。医療機関などで診断されれば、治療をすることができます。

必要であればお薬の処方もできるのです。服用だけでなく、医師の定期的な診察を受けて症状をコントロールできるようにアドバイスを受けることもできます。放課後等デイサービスでは、落ち着いた行動を促すためのプログラムがあるところもあります。そういった機関や教室を積極的に利用したいものです。

ADHDの放課後の過ごし方

ADHDのお子さんをもつ親御さんの意見をまとめてみました。

習い事をさせたいが二の足を踏んでしまう

小学一年生でADHDの息子がいます。インドア派のようで、放課後は家の中でおもちゃを使って遊んだり、漫画を読んだりして過ごしています。運動能力が後れていて、かけっこや階段の上り下りがかなり遅いです。

何か運動するような習い事をさせたいと思うのですが、自分の思うようにいかないとかんしゃくを起こしてしまうことが多く、他の子どもやコーチに迷惑をかけてしまいそうで二の足を踏んでいます。本当はサッカーや空手など、いろいろな習い事をやらせてみたいのですが。(30代・女性)

スイミングを習わせたら良い影響が出てきた

ADHDの次男に、放課後に何かやらせたいと思って野球とスイミングを習わせていました。野球は守備の時間やベンチにいるときに落ち着いて待つことができず、長続きしませんでした。

でもスイミングのほうは小学生の頃から高校まで続きました。最初の頃は練習中も落ちついていられず、コーチにいつも注意されていましたが、練習メニューが複雑になってくると、きちんと指示を聞けるようになりました。

今ではかなりスイミングが得意になっていて、本人も楽しく続けられています。(40代・女性)

お子さんに習い事をさせることに不安があるという意見もある一方、習い事の種類によっては長く続けられたという意見もありますね。

学童保育や塾を選ぶポイント

ADHDの子を持つ親にとって、学童保育や塾は日々の子育ての負担を軽減してくれる施設として大切な場です。学童保育や塾を選ぶ際は、次の2つのポイントに注意すると良いでしょう。

サポート体制が充実しているか

ADHDを持つお子さんは集団のなかで落ち着いて行動することが苦手です。たとえば塾の場合、「じっと座って授業を受けることができないため、問題行動を起こして授業を妨害してしまう」といった事態が予想されます。

そのようなケースを想定し、「同じクラスの子どもや親御さんに対して、あらかじめ問題行動が起きるについて説明し、理解をしてもらう」「問題行動がひどい場合は、すみやかに隣室などに移動させ、専属のスタッフが対応する」といった体制が整っている施設であれば理想的です。

受け入れ実績の有無

ADHDのお子さんが学童保育や塾でも安心して過ごせるためには、「ADHDに関する確かな知識を持つスタッフがいる」「ADHDのお子さんを受け入れた経験があり、トラブルへの対処法を心得ている」といったことが条件となります。

ADHDに由来する問題行動は、一見すると「ただ落ち着きがない、我慢ができない子ども」という印象を与えがちです。そのため、担当スタッフがADHDであることを理解しないままいたずらに注意・叱責してしまうことも予想されます。

しかしそのような指導・管理を行っても、ADHDに由来する問題行動が収まることはありえません。ADHDの特性を正しく理解し、なおかつそのお子さん固有の症状なども十分に把握した施設運営は、過去にADHDのお子さんを受け入れた経験がないと非常に難しいのが現実なのです。

ADHDの方向けの放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、障害のある子どもを対象に放課後や長期休暇の間におこなわれている福祉サービスです。施設によってプログラムは違いますが、友達と一緒に遊ぶ、宿題をする、音楽やスポーツを楽しむ、生活に必要なスキルを身につける、といったさまざまな活動ができます。

落ち着いて勉強する力を養える

ADHDのお子さんは、落ち着いて机に向かって勉強するということが苦手なことがあります。学習に力を入れている放課後等デイサービスでは、ADHDの特性を考慮して指導してくれるので、子どもが自ら学ぶ力を伸ばしてあげることが可能です。ただし、宿題をさせる以外の学習指導をしているかどうかは施設によって異なりますので、入所前に確認しましょう。

子どもの楽しみが増える

ADHDの子どもは集団行動が苦手だったり、友達とトラブルになりやすかったりするため、友達作りが難しいことがあります。放課後等デイサービスは障害のある子どもに配慮したサービスを提供してくれるので、サポートを受けながら友達と一緒に自分らしく過ごすことで、お子さんの楽しみが増えるでしょう。

親の時間を確保できる

子育て中の親も、ときには子どもから離れて過ごす時間が必要です。安心して子どもを預けられる放課後等デイサービスの利用は、親御さんのリフレッシュにも役立つでしょう。

このサイトでは、お子さまの発達具合がわかるWISC検査について解説しています。その結果を療育に活かしているおすすめの放課後等デイサービスも紹介しています。

お子さまの発達にあった療育を受けさせたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

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子どもの特性が分かる発達テスト、WISC検査について解説

WISC検査お子さんの受けられる発達検査のひとつにWISC検査があります。その子の持つ特性や発達の凹凸など詳しく数値として分かるのでおすすめです。5歳~16歳11か月の検査では、「言語理解」「知覚推理」「作業記憶」「処理速度」の4項目を調べます。結果をもとに指導に反映してくれる放課後等デイサービスもありますよ。さらに詳しく検査についてまとめたページがありますのでぜひご覧ください。

安心して通わせられる放課後等デイサービス