このページでは、発達障害の子どもがなかなか寝ない理由や原因、その対策について紹介しています。
自閉スペクトラム症や注意欠陥多動性障害など発達障害の症状を持つ子どもの約半数は、何らかの睡眠障害に陥っていると言われています。睡眠障害の症状は夜なかなか寝ない、眠りについてもちょっとした音で起きてしまう、一度目が覚めるとその後眠れなくなるなどさまざまです。
睡眠に関する問題を抱える子どもの数を、発達障害を持つ子どもと一般の子どもで比べると、発達障害を持つ子どもは一般の子どもの約2倍であるという調査結果も出ています。これは発達障害の二次障害として睡眠障害が発現していることの裏付けとなるでしょう。
睡眠障害が長い期間続くことで生活習慣に悪影響が出ることも避けられません。子どもにとっての睡眠は脳の発育に大きな影響を与えるので、親としては出来るだけ改善したいものです。
夜に寝ない子どもは体内時計がズレている可能性があるので、まずは体内のリズムを整えることから始めましょう。朝は毎日決まった時間に子どもを起こして、太陽の光を浴びさせます。日光を浴びると14〜15時間後に睡眠ホルモンである「メラトニン」が体内で分泌されて、夜に眠れるようになります。
適切な睡眠のためには、朝食を抜かずに食べることも大切です。朝食を食べたときの咀嚼により脳が覚醒する効果があります。夜に寝て朝に起きる習慣をつけるには、食事をきちんと取らせてください。
また、外で体を動かす時間や昼寝の長さについても保護者の方が管理してあげましょう。昼間に体を動かすことで夜に入眠しやすくなります。
寝る前の合図を決めておくことで、体が眠る体勢に入りやすくなります。寝る前にリラックスすることを習慣として取り入れれば、心のスイッチが切り替わり体を休眠へと誘導できるからです。
例えば、寝る1時間前に入浴する、眠る前は1冊の絵本を読んであげる、スローテンポの曲を聞かせる、眠る直前にトイレに行くなど。体をリラックスさせられる行動なら何を合図にしてもかまいません。
子どもによってどの入眠の合図が合うのかは異なるので、いろいろ試してみるのがよいでしょう。できるだけ毎日行える行動を寝る前の合図にしてください。
寝室はリラックスして眠れる環境に整えます。発達障害の子どもは光や音など外からの刺激に敏感です。子どもを寝かせる部屋のカーテンは遮光のものにして、朝の光を浴びやすいように寝る位置は窓の側にします。原色系の家具は子どもの神経を刺激してしまうので、インテリアの色はブルーやグリーンなどの寒色系がおすすめです。
また、子どもの意識が向きそうなものを寝室に置かないことも大切です。例えば、すぐ側におもちゃがあると子どもは遊びたくなって脳が覚醒してしまいます。隣の部屋のテレビの音が聞こえてくれば、気になって眠れません。子どもを寝かしつけるときはテレビを消して静かに眠れるようにしてあげましょう。
発達障害の子どもを寝かしつけるためにいろいろな工夫をしても寝てくれないときは、無理に寝かせようとせずに、思い切って気持ちを切り替えさせましょう。なかなか寝てくれないことに親が焦ると、敏感な子どもはそれを感じ取って、さらに眠れなくなってしまいます。
どうしても寝つけないようなら、一度電気をつけて子どもがリラックスできることをさせてあげます。絵本を読んだり、音楽を聞かせたりしているうちに子ども自身も落ち着いて気持ちを切り替えることができるでしょう。
発達障害の子どもがなかなか寝ない場合、子どもの好きなことをさせてリラックスした状態に導くことは有効です。しかし、子どもの好きなことといっても寝かしつけには逆効果な行為は避けたいものです。
子どもが興味を示していても脳が覚醒してしまうものは、できるだけ避けなければなりません。例えば、テレビを見せること、スマホやタブレットでの動画視聴やゲームなどが当てはまります。
テレビやスマホ、タブレットから発せられるブルーライトには脳を覚醒させる効果があるので寝る前に見せるには適していません。また、発達障害の子どもの場合、好きなことや面白いことがあると夢中になってしまうので余計に眠ってくれないので注意が必要です。
発達障害の息子は赤ちゃんのときからなかなか寝てくれませんでした。抱っこして揺さぶっていれば寝てくれますが、布団に寝かせた途端に目を覚ましてしまいます。息子が成長してからも寝ない状態が続いていたので、寝かしつけることがストレスになってしまっていました。
この状態では良くないと思い、発想を転換して息子の睡眠時間にこだわることをやめてみたのです。すると今まで寝かしつけに使っていた時間を家事に使えるようになり、私のストレスは減っていきました。息子も自由に時間を過ごせるようになったので結果的にはよかったと思います。
発達障害の子どもが寝ないのは保護者として大きな悩みですが、規則正しい生活や適度な運動で夜眠れるようになる可能性があります。放課後等デイサービスを利用して、外部からの適度な刺激を与えることが睡眠障害を改善する助けになることもあるでしょう。
このサイトでは、お子さまの発達具合がわかるWISC検査について解説しています。その結果を療育に活かしているおすすめの放課後等デイサービスも紹介しています。
お子さまの発達にあった療育を受けさせたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
お子さまの発達がわかるWISC検査と
結果を活かす放課後等デイサービスをみる
子どもの特性が分かる発達テスト、WISC検査について解説
お子さんの受けられる発達検査のひとつにWISC検査があります。その子の持つ特性や発達の凹凸など詳しく数値として分かるのでおすすめです。5歳~16歳11か月の検査では、「言語理解」「知覚推理」「作業記憶」「処理速度」の4項目を調べます。結果をもとに指導に反映してくれる放課後等デイサービスもありますよ。さらに詳しく検査についてまとめたページがありますのでぜひご覧ください。