このページでは、知的障害について解説します。
発達の時期に知的な機能障害によって認知能力が遅れた場合に診断されます。自閉症スペクトラムやダウン症など様々な要因があり、知能に遅れが出る障害です。
乳幼児期には気づかれにくく、幼稚園や小学校に入って分かる場合もあります。発達期は18歳までですので、そのお子さんの状態によって成長の違いがあります。
知的障害を判断するために、療育センターやクリニックで行われる発達検査※を行います。
しかし、知能指数(IQ)だけで決められるのではなく、適応能力という自立の力やコミュニケーション力なども関係してきます。医療機関では、成育歴などを保護者から聞き、行動観察なども行って総合的に診断しています。
※発達検査については、このサイト内に詳しくWISCという検査についてまとめたページがありますので参考になさってください。
IQの数値と生活能力a~dという四段階に分け、総合的に判断されます。それぞれの特徴をまとめてみました。
IQはおおむね20以下。言葉の発達がなく、叫ぶなどの発音にとどまります。まわりの人の判別が難しく、常に介護や保護が必要です。適切な訓練を受けると発達が進む場合もあります。
IQはおおむね20~35。運動能力や言語能力が遅れ、身の回りのことを自分でこなすことが困難です。保護や介護が必要になります。
IQはおおむね35~50。言葉の遅れや運動能力に遅れが出ます。日常生活での自立はできることもありますが、他の人のサポートが必要になります。
IQはおおむね50~70。食事や着替え、トイレなどの日常の自立はできることが多いです。言葉の発達がゆっくりで大人になっても小学生の学力となることもあります。
赤ちゃんの時期は成長も人それぞれで分かりにくいこともありますが、幼児期以降に知的に遅れているかもと感じたら迷わず医療機関に相談をしてみてください。
お子さんの場合は、区役所の保健センターや子育て支援の窓口などでも気軽に相談しやすいです。必要であれば、療育センターや児童相談所などで検査をすることもできます。このサイトで紹介している放課後等デイサービスでも、プロのスタッフがいる事業所もあるのでアドバイスがもらえるでしょう。
知的障害の症状は軽度から最重度まで幅広く、お子さんによって問題点も異なります。お子さんの場合、まずは食事や着替えやトイレなどの身のまわりの自立から教えていくところからはじまります。言葉の遅れについても専門家の指導があると良いでしょう。
医療機関や療育センター、放課後等デイサービスでは、作業療法(OT)や言語療法(ST)などのプログラムがあるところも。お子さんの成長のために何が必要か保護者が動いてみることが大切です。
知的障害のある子どもに適した学童保育や塾を選ぶポイントは2つあります。
自治体によっては、障害児に対する行政意識の高い自治体では、予算を設けて障害児専門の学童保育を開設している場合があります。障害児専門をうたう以上、知的障害や発達障害を持った児童への対応法を熟知したスタッフが待機しているはずです。
また障害児医療に対する理解と経験を持った医師・医療機関と提携している場合もあります。そのような施設であれば、当然、通常の学童保育よりも子どもの安全という点ではるかに信頼できるでしょう。
ご自分の暮らす地域に障害児専門の学童保育があるかどうかは、自治体の福祉課に問い合わせれば教えてくれます。
障害児専門ではない学童保育や塾を選ぶ際、もっとも大切なポイントは「知的障害児を受け入れた前歴があり、かつ現在も受け入れ体制が整っている」ということです。
学童保育であれ塾であれ、知的障害児を受け入れるということはある種のリスクを引き受けることですから、よほどその施設に知的障害児に対する対応能力がないかぎりは難しいと言わざるを得ません。
たとえば「大学院で障害児教育の研究をしていたスタッフがいる」「地域のメンタルクリニックや教育コンサルタントなどと提携して、知的障害児を受け入れる心得について定期的にレクチャーを受けている」といった施設であれば、知的障害児であっても引き受けることが可能でしょう。
しかしそのような体制がなく、しかも過去に受け入れた経験もないという施設が、いきなり知的障害児を受け入れることはお子さんに与えるリスクが大きすぎます。
このサイトでは、お子さまの発達具合がわかるWISC検査について解説しています。その結果を療育に活かしているおすすめの放課後等デイサービスも紹介しています。
お子さまの発達にあった療育を受けさせたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
お子さまの発達がわかるWISC検査と
結果を活かす放課後等デイサービスをみる
子どもの特性が分かる発達テスト、WISC検査について解説
お子さんの受けられる発達検査のひとつにWISC検査があります。その子の持つ特性や発達の凹凸など詳しく数値として分かるのでおすすめです。5歳~16歳11か月の検査では、「言語理解」「知覚推理」「作業記憶」「処理速度」の4項目を調べます。結果をもとに指導に反映してくれる放課後等デイサービスもありますよ。さらに詳しく検査についてまとめたページがありますのでぜひご覧ください。