このページでは、放課後等デイサービスの対象となるお子さんの条件について解説しています。
放課後等デイサービスは、障害のある児童が通うための教室です。そのため、誰でも利用できるということではなく、地方自治体が必要性を判断した場合に通えます。どんなお子さんが対象となるのか下記にまとめましたので、参考にご覧ください。
放課後等デイサービスは障害児とその家族へのサービスですから、放課後等デイサービスのサービスを受けることができるのは障害児だけです。放課後等デイサービスは2012年4月施行された改正児童福祉法によって始まったサービスです。
まだ、施行されて日が浅いためか、こういったサービスがあること自体知らないといった親御さんもいらっしゃるようですね。放課後等デイサービスはどんな障害児でも受け入れるところと障害児の状態によっては受け入れが難しいというところがあるようです。
たとえば、クルマ椅子の利用はできないというものや重症障害のある子のケアは難しいというものです。障害児を扱うサービスなのですからクルマ椅子の利用は最初から頭に入れておいて欲しいところですが、利用できないというところに無理やり押し込むことはできないので諦めるしかないのが現状といったところでしょう。
また、重症児に関してですが、平成24年度の文部科学省の調べによると医療的ケアを必要とする障害児の人数は全障害児の数の6%にあたる7531名にのぼることが分かっており、濃厚介護や濃厚医療を必要とする重症心身障害児、超重症児の数も増加の一途を辿っているそうです。
超重症児が必要としている呼吸に関する吸引や経管栄養、導尿などは医療行為とみなされ、医師や看護師などの免許を持たない者の反復継続行為は違法とされてきました。しかし、現在では重症障害児の増加を背景に一定の研修を受けることで特定行為を行うことができるようになってきているそうです。
放課後等デイサービスの目的は障害児が少しでも自立できるように教育を行うこと、また、日頃お世話をしている家族への負担を少しでも軽くすることです。通える範囲に放課後等デイサービスがあったとしたら、利用することを考えてみてはいかがでしょうか?家族だけでなく、障害児自身の成長にも繋がるよい結果になると思いますよ。
参照元:文部科学省公式HP:平成24年度特別支援学校等の医療的ケアに関する調査結果について(別紙3)「https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1334913.htm」
放課後等デイサービスで受け入れることができる障害児は原則、学校に通っている就学児童です。つまり、小学校、中学校、高校に通っていることが前提となっています。
しかし、高校を卒業しても放課後等デイサービスでの福祉を受ける必要があると判断された場合は20歳まで引き続き放課後等デイサービスに通うことができます。
ただし、この措置は各放課後等デイサービスによって線引きが異なるので、全ての放課後等デイサービスに適用されるとは限りません。保護者が引き続きみて欲しいと懇願しても、児童の様子で判断されるので叶わないことの方が多いのではないかと思われます。
放課後等デイサービス親の就労の有無は問われません。一般的な学童保育は両親が共働きであることが絶対条件ですが、放課後等デイサービスは共働きでなくても通うことができます。これは放課後等デイサービスが家族の負担を軽くするとともに、自立支援教育を目的に行われている事業だからです。
放課後等デイサービスを受けられる期間は原則就学児童まで、その後は家族からのサポートを一方的に受けるのではなく、障害児自身の存在意義を見つけていかなくてはならないのです。
しかし、学校後に通うことのできる放課後等デイサービスは家族の負担を軽くすることには変わりありません。自宅でのケア、サポートはなくなりはしませんが、数時間でも余裕を持てるということは大きな変化です。
また、働きたいと思っている、特に、お母さんの味方にもなってくれることでしょう。外に出て働くことでストレスが解消できたという調査報告もなされています。ですが、外に出て働くということは放課後等デイサービスを利用する前提での考え方。放課後等デイサービスは原則、就学児童までしか受け入れていないため、「高校を卒業したらどうしよう…」と頭を悩ませているお母さんも多いようです。
この問題はまだ解決には至っていませんが、高校を卒業したとしても、放課後等デイサービスのようにケアや教育を行ってくれるサービスが確立されれば、障害児も家族もゆとりをもった生活を送ることができるのではないでしょうか。
放課後等デイサービスには、自閉症スペクトラムやADHD、学習障害(LD)、ダウン症などと診断されたお子さんが通われています。しかし、診断が出ていなくても、療育手帳や障害者手帳を取得していなくても大丈夫です。療育センターや病院などの専門家による意見書を提出したり、親と面談をしたり、自治体が必要性を調査します。認められれば、利用の対象となります。
放課後等デイサービスを利用したいなら、まずは区役所・市役所の窓口に確認してみるとよいでしょう。療育センターや幼稚園・保育園のときに児童発達支援を利用していたりすると、担当者との話がしやすいようです。放課後等デイサービス対象でなければ探しても意味がなくなってしまいます。まずは自治体の担当者に確認をしてみましょう。
参照元:『重症心身障害児の放課後デイサービスの現状と課題』
https://ir.kochi-u.ac.jp/dspace/bitstream/10126/5469/1/gaku.63-125.pdf
参照元:『障害児の放課後等デイサービス事業所における保護者の就労支援の位置づけ』
http://ir.kyokyo-u.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/8181/1/S007v127p77-91_maruyama.pdf
このサイトでは、お子さまの発達具合がわかるWISC検査について解説しています。その結果を療育に活かしているおすすめの放課後等デイサービスも紹介しています。
お子さまの発達にあった療育を受けさせたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
お子さまの発達がわかるWISC検査と
結果を活かす放課後等デイサービスをみる
子どもの特性が分かる発達テスト、WISC検査について解説
お子さんの受けられる発達検査のひとつにWISC検査があります。その子の持つ特性や発達の凹凸など詳しく数値として分かるのでおすすめです。5歳~16歳11か月の検査では、「言語理解」「知覚推理」「作業記憶」「処理速度」の4項目を調べます。結果をもとに指導に反映してくれる放課後等デイサービスもありますよ。さらに詳しく検査についてまとめたページがありますのでぜひご覧ください。