このページでは、言うことを聞かない子どもへの上手な伝え方や間違った伝え方、体験談などを紹介します。
発達障害の子どもが言うことを聞かないと、頭を悩ませる保護者の方は多いものです。何度同じことを注意しても次の日にはまた繰り返してしまう。叱られた直後は反省している様子でも、またすぐに言うことを聞かなくなってしまう。このような状態が続いていれば、子どもを叱り続ける親と叱られ続ける子の双方にストレスがかかってしまいます。
子どもが良くない行動をしていれば周りから「しつけができていない」と、反対に大きな声で怒鳴ってしまうと「叱りすぎている」と思われるでしょう。言うことを聞かない子どもにしてほしいことを伝えるには、以下で紹介する3つのポイントに気をつけてみるのが有効です。
発達障害の子どもには曖昧な表現を避けて、具体的にしてほしいことを伝えなければなりません。「ちょっとだけ待っててね」「ちゃんと〇〇しなさい」と伝えられても、子どもにとって「ちょっと」や「ちゃんと」の部分が感覚的すぎて伝わりにくいのです。
例えば、「ちょとだけ待って」と伝えるのではなく、「5分だけ待っててね」。「ちゃんとご飯を食べて」ではなく、「うろうろせずに椅子に座ってご飯を食べようね」など、具体的に伝えてあげると、発達障害の子どもでも理解しやすくなります。
子どもが大きな声で騒いでしまっているのを注意する場合には、実際に声のボリュームを落として「これくらいの声で話そうね」と声の基準の大きさを伝えるのがよいでしょう。また、「ご飯中に立ち歩いてはだめ」などと否定形で注意するのではなく、「ご飯を食べ終わったら椅子から立ち上がってもいいよ」と肯定形で伝えてあげる方が、子どもからの反発が返ってきにくいです。
毎日の生活の中で子どもに注意する場面はある程度決まっています。何度注意しても聞いていないのかすぐ忘れてしまうという場合には、文字やシンプルなイラストなどで「見える化」して伝えましょう。
発達障害の子どもには耳から入ってくる情報を受取るのが得意な子と、目から入ってくる情報を受取るのが得意な子など、子どもによってタイプが異なっています。視覚からの情報を受け取るのが得意な子どもにとって、「見える化」して伝えるのは最適な方法です。
「家に帰ったら手洗いうがいをする」と書いた紙を玄関に貼ったり、いただきますやごちそうさまを忘れてしまう子どもには、「いただきます、ごちそうさま」と書かれた紙をダイニングの壁に張っておくのが有効です。
この他にも図や表、ToDoリストなどを作成しておけば、子どもが自分からするべきことをできるようになるので、何度も同じことを注意する必要がありません。
子どもが良い行動を行い、間違った行動を自分でやめられたときには、褒めてあげることが大切です。
最初のうちは叱られて言うことを聞いていても、注意される回数が増えて慣れてしまうと親の言うことを聞かなくなります。とくに発達障害の子どもの場合、人の感情に敏感な子どもが多いので、保護者の方がヒステリックに叱ってしまうと呼応して刺々しい返事をしてしまうのです。
子どもは頑張ったつもりでもできなかったことで親に叱られ続けていると、親が全然わかってくれないと不満をかかえてしまいます。このような体験がもとになり新しいことにチャレンジできなくなるのも、発達障害の特徴のひとつです。
子どもの良いところを伸ばしてあげるつもりで、上手にできたことや自分でダメなことと気づけた場合には、「〇〇ができて偉かったね」と具体的に褒めてあげてください。小さな成功体験を重ねていくことで、少しづつ子どもができることも増えていきます。
発達障害の子どもにしてほしいことを伝えるときに、ガミガミとヒステリックに叱ったり、きつく注意したりするのは逆効果です。発達障害の子どもは突然出された大きな声に不安を覚えて、パニックを起こす可能性があるからです。
また、親がイライラしているのを感じ取って、反発した態度を取ってしまう子どももいることでしょう。親子ともにきつい言葉を口にしてしまうと、さらに言うことを聞かなくなってしまいます。
言うことを聞かない発達障害の子どもにしてほしいことを伝える場合には、大きな声で叱ったりするのではなく、落ち着いたトーンの声で語りかけて伝えるのが適切な方法です。
うちの子どもは学校の用意を自主的にすることがなく、毎回親が声をかけなくてはいけませんでした。毎日のことなので私の方もいらだって強い口調で言ってしまっていましたが、子どもから返ってくるのは反発した返事ばかり。思い切って厳しく言い聞かせることをやめてみると時間はかかりますが、「ちゃんと準備するよ」と子どもから動いてくれるようになりました。
言うことを聞かない発達障害の子どもに、きつい口調で注意をしても逆効果です。きちんと向き合って冷静な態度で語りかけることで、親がしてほしいことを子どもが聞いてくれるようになります。他者と関わることで社会性が身につく放課後等デイサービスを利用するのも、子どもが言うことを聞くようになるきっかけ作りになります。
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